「スタッフエンジニア マネジメントを超えるリーダーシップ」を読んでみた
ソフトウェアエンジニアのキャリアラダー(特にシニア以上)について理解を深めたかったので、スタッフエンジニアの本を読んでみました。
書籍「スタッフエンジニア」は誰向けの本か?
スタッフエンジニアについて書かれている本なので、シニアエンジニアやスタッフエンジニア向けの本です。
具体的な内容としては、スタッフエンジニアのキャリアラダーから始まり、4つの典型的なアーキタイプ(活動スタイル)、スタッフエンジニアになる方法、実際のスタッフエンジニアの18名の事例を知ることができます。
IC(インディビジュアルコントリビューター)としてキャリアを重ねていきたい方や、技術かマネジメントでキャリアに悩んでいる方にはおすすめです!
また、サブとしてスタッフエンジニアを管理するマネジャーにも役立つ内容があります。
スタッフエンジニアのキャリアラダー、スタッフエンジニアの昇進を後押しする方法、そして、最後の最後にスタッフエンジニアの管理方法や面接方法が書かれています。
ソフトウェアエンジニアのキャリアラダー
典型的なソフトウェアエンジニアのキャリアラダーは次のようになります。
まず、「キャリア初期(ジュニア)」から、「中間レベル(ミドル)」、「シニア」とスキルと経験を積みます。
そして、「シニアエンジニア」から「技術」か「マネジメント」かの2つのラダーに枝分かれしています。
「技術」のラダーでは、「スタッフエンジニア」、「プリンシパルエンジニア」、「ディスティングイッシュトエンジニア」と昇進していきます。
書籍ではスタッフ以上の役職をまとめてスタッフプラスと呼んでいます。
補足:会社ごとに呼び方が違ったり、役職として設定されてなかったりと異なるのであくまで典型例です。
スタッフエンジニアの典型的な4つのアーキタイプ
スタッフプラスのキャリアラダーでは、1つの役職名の下にさまざまな役割が隠されていることが多いようです。その中で、典型的な4パターンの活動スタイルがあることがわかったようです。
アーキタイプ | 内容 |
---|---|
テックリード | 最も一般的アーキタイプ |
アーキテクト | 重要分野の方向性や質やアプローチに責任を負う |
ソルバー(解決者) | 困難な問題に深く関わり解決に責任を負う |
右腕(ライトハンド) | 数百人規模でエンジニアを抱える会社で見られて最も数が少ないタイプ |
スタップエンジニアの仕事内容
スタッフエンジニアの役割は、チームのニーズや個々のエンジニアの強みなどによって大きく変わります。さらに、時間とともに移り変わっていきます。
例えば、チームのプロジェクト遂行能力が低い場合はテックリードとしてロードマップの実現をリードすることもあれば、エンジニア組織が大きくなってきた場合にアーキテクトとして全社のAPI設計の方向性を決めていく責任をもつなどさまざまです。
そのような中でも、スタッフエンジニアは、何かしらの形で、「将来を見据えて技術面でリーダーシップをとっていく責任」があります。
- エンジニアリング戦略を立てる
- 会社のビジネス目標をサポートするために、アーキテクチャ、技術選択、組織構造などに関するエンジニア戦略を構想し、リードする
- 技術品質を管理する
- 会社が成長するにつれて、技術品質の基準も高まっていく
- そのため、技術品質をモニタリングし、品質を維持するようにリードしていく
- メンターおよびスポンサー
- メンターとして、メンバーやチームの状況を理解し、助言をし、良好な関係を築いていく
- スポンサーとして、メンバーやチームに直接力を貸して前進を促す
- 探索をする
- インキュベーションは、会社の中で最もやりがいがあり、同時に最もリスクが高い仕事の1つ
- 事業創出の探索をしたり、重要で複雑な技術的な課題の解決策の探索をしたりする
- 技術的な課題の例としては、インフラの費用を1桁減らすことだったり、半年でマルチリージョン戦略を構想することだったりさまざま
- 接着剤になる
- 絶対に必要だが、目には見えないタスクをこなしてチームを前進させ、その成果を出荷する
まとめ
今回は「スタッフエンジニア」を読んでみました。
- スタッフエンジニアは、シニアエンジニアから枝分かれしている技術エキスパートとしてのラダーに位置している
- スタッフエンジニアの典型的な4つのアーキタイプとして、「テックリード」、「アーキテクト」、「ソルバー(解決者)」、「右腕」がある
- スタッフエンジニアの仕事内容は状況によってまちまちだが、将来を見据えて技術面でリーダーシップをとっていく責任をもっている
IC(インディビジュアルコントリビューター)としてキャリアを重ねていきたい方や、キャリアに悩んでいる場合は、ぜひ読んでみてください。